親権者の指定の基準は、Q2で説明しましたとおり、「父母のどちらが親権者になるのが「子の福祉」すなわち、子の幸せに適うかということに尽きます。
具体的には、
① 父母それぞれの監護体制(経済状態、居住環境、家庭環境、教育環境)、
② 父母の子の対する愛情、監護意思の強弱、
③ 父母の心身の健全性、
④ 子との親和性(これまでの養育にどちらがどれだけ密接なかかわり方をしてきたか)、
⑤ 子の年齢、
⑥ 環境の継続性(現在どちらと生活をしてその生活環境に問題がなければ変更せず継続させることが子の心身の安定につながる)
⑦ 子の意思(15歳以上)
などということになります。
不貞行為があったというのは、本来、夫婦間の問題であって、親子間の問題ではないと思われますので、基本的には親権者の指定の点で不利になることはないと思われます。
しかし、子の監護養育をおろそかにして相手方男性と遊び歩いていたなどという状況があったとすれば、①父母それぞれの監護体制という点で、単独親権者となった後も子の監護養育をおろそかにする可能性があると判断され、不利に扱われる可能性はあります。これは不貞行為があったか否かの問題ではなく、不貞行為がなくとも、友人知人と遊び歩き、子の監護養育をおろそかにしていれば、同様です。離婚に至るまで子の監護養育を適切に行ってきたかどうかという問題です。